横須賀美術館『開館15周年 PRIDE OF YOKOSUKA スカジャン展』へ行ってきました

 横須賀ジャンパー、略して「スカジャン」。元々はスーベニアジャケットと呼ばれていて、戦後の米兵のお土産用でした。アメリカ人に親しみやすいベースボールジャケットを模したものに、和装由来の鷲、虎、龍などの意匠の刺繡を施したものです。今回はそのスカジャンの歴史を知ることができる展覧会です。

横須賀美術館

 横須賀にはいまでもアメリカ海軍の基地があります。戦前から日本海軍の施設があったことから戦後は米軍に接収されました。そして、米兵向けの土産物屋やバー、キャバレー、レストランなどが作られていきます。その中にスーベニアジャケット、スカジャンの店が数多く作られることになるのです。

 

スカジャンを試着できます

 やはり日本人はすごい、本当に器用なのだと感じました。ジャケットの背に施されている鷲、虎、龍や日本地図などの刺繡は手を抜いているところがなく、一針一針丁寧な仕事をしていることがわかります。戦後の本当に苦しい時代でさえも、仕事には手を抜かず、誇りを持って取り組む日本人の仕事に対する姿勢、本質を見たように思います。慣れないアルファベットを使ったいびつなJAPANには愛嬌がありました。

 ドブ板通りへ行ったことのある方、終戦当時の賑わいっている通りの様子の写真を観ることができるので楽しいと思います。実際に使われていた刺繍の型の原板も観ることができ、これはかなり貴重な資料のようです。そして、現在まで続くスカジャン文化の変遷も観ることができます。(少し派手なようにも思いますが)スカジャン、欲しくなりました。

ドブ板通り商店街オリジナルスカジャン 2022
ハワイやアラスカ仕様の図案、大仏もあります

横須賀美術館『開館15周年 PRIDE OF YOKOSUKA スカジャン展』

会期:2022年11月19日(土)~2022年12月25日(日)(休館日:12月5日(月))

美術

Posted by mocchi