東京国立近代美術館『ガウディとサグラダ・ファミリア展』へ行ってきました

2023-11-13

  「未完の聖堂」と言われていたサグラダ・ファミリア。2026年に中央塔「イエスの塔」の完成を目指しているとのことです。この展覧会では、完成目前という視点からサグラダ・ファミリア140年の歴史と、ガウディの情熱を感じることができる、感動的な展覧会でした。

展覧会入口

 アントニ・ガウディは、サグラダ・ファミリアの2代目の建築家であることはよく知られています。何代も続く建築家の中で2代目のガウディの思いが100年以上受け継がれているのは、やはりガウディのサグラダ・ファミリアへの情熱と独特な発想ゆえでしょうか。「聖家族贖罪教会」という正式名称を持つこの教会はかなり奇抜で斬新なデザインです。奇抜で斬新な素晴らしさとは、とても不思議な感情で上手く表現できません。もともと少ない給金を制作資金に投じて、乞食と間違われるほどの身なりだったというガウディの熱い熱い情熱が、サグラダ・ファミリアに関わるすべての人・モノにしみわたっているからかもしれません。サグラダ・ファミリアが人々を感動させる源はここなのでしょう。

 そして今回、久しぶりに私の感動度MAXまでいく勢いの展示に出会いました。それはサグラダ・ファミリア「降誕の正面」の歌う天使たちです。目頭が熱くなりました。天使たちの微笑みといったらよいのでしょうか、その表情は穏やかで、暖かくて、優しくて、清らかで、慈愛に満ちていて、歌声とともに柔らかいストールを優しくふわっと肩にかけてもらったようなそんな感覚がありました。天使たちは入口の上に位置しているので、私たちを見守るために下向きですが、私たちは上を見上げて天使たちを見ます。辛いことがあって泣きたくなる時もあるけれど、上を向いて天使たちのあの微笑みと出会えればくじけずに生きていけそうだ、そう思わせてくれるものを感じました。さらにこの天使たちは、あの日本人彫刻家の外尾悦郎さんの作品です。ガウディと外尾さんの情熱の重なりを感じることができてさらに感動です。信仰心の有無に関わらず、多くの人々が感動できるものがあるというのはとても素晴らしいことではないかと改めて思うのでした。

歌う天使たち
歌う天使たち(部分)
「降誕の正面」

私はまだスペインへ行ったことがありません。サグラダ・ファミリア完成予定が2026年。あと3年ですか!この完成に合わせて、スペインへの旅ができたらいいなぁと思います。

東京国立近代美術館『ガウディとサグラダ・ファミリア展』

会期:2023年6月13日(火)~9月10日(日)

【滋賀会場 佐川美術館 会期:2023年9月30日(土)~12月3日(日)】

【愛知会場 名古屋市美術館 会期:2023年12月19日(火)~2024年3月10日(日)

美術

Posted by mocchi