群馬県立館林美術館『スペインの巨匠・ミロ 版画の宇宙』へ行ってきました
バルセロナ生まれのジョアン・ミロの版画の展覧会です。具体的に何が描かれているのかがわかるのは、ミロの作品には少ないです。タイトルからかろうじて何が描かれているのかを理解できる作品もありました。「あー、なるほど、見えなくもないな」というように。それ以外の作品は、クマのぬいぐるみ?太陽?花?これは足!ミロの魅力はそこなのかもしれないと思いました。何かはわからないけれどイメージを色や形で表現する、それがミロの世界なのですね。

私はミロの作品での「赤」が好きです。真っ赤ではなく、私にはとても濃いオレンジ色のようにも見えるミロの赤。青や黄色もよく使われているなぁ、すてきだなぁと思っていたら、ミロが生まれたスペインの国旗は赤と黄色なのですね。よく使われているのはそういう理由もあるのでしょうか。ミロの赤や黄色に優しさと凛々しさのようなものを感じるのは、ミロがスペインやその国旗に誇りを持っていたからかな、と思ったのでした。
「…ミロはまず頭に浮かんだ形をノートに書き留め、それを徐々に熟成させ、機が熟した時に一気に描いていました。…」これはキャプションからの抜粋です。意外でした。頭に思いつくままにザクザクっと一気に描いているイメージでしたが、熟考の結果だったとは少々驚きました。
一番気になったのは“目”です。丸や楕円の中に小さな丸が描かれています。全部にではありませんが、多くの作品に“目”があります。実際は本当に“目”なのかはわかりません。“目”だと思ったらもう私には“目”にしか見えなくなってしましました。あの“目”が私の思っている“目”だったとして、ミロはそこから何を見たのでしょう?あるいは見たかったのか。
来年は東京都美術館でミロの大回顧展が開催されます。どんなミロの宇宙が観れるのか、こちらもとても楽しみです。

群馬県立館林美術館『スペインの巨匠・ミロ 版画の宇宙』
会期:2024年9月28日(土)~12月15日(日)(休館日:月曜日)