カスヤの森現代美術館『開館30周年記念 李禹煥 合間の遊作』へ行ってきました
「お久しぶりです!」思わずつぶやいていました。李禹煥の「湯吞」と再会を果たしたのです。正確には以前会った湯呑とは別の湯呑です。2年前の夏、国立新美術館での李禹煥展を観に行ったときに私と湯呑との出会いをご紹介しました(2022年8月29日公開「国立新美術館『李禹煥展』へ行ってきました」も併せてご覧ください)。湯呑との再会に、心が落ち着くようなワクワクするようなそんな体験でした。


湯呑、湯呑と勝手に言っていますが、前回からの続きということで、もうこれで通そうと思います。《対話》というタイトルなので、一番気になるのは誰とのどんな対話なのかということです。もちろん勝手に想像するわけですけれど、今回ご紹介したいのはこちらです。↓ 壁の湯呑は2009年から当館に展示されていた作品で、床のガラスと石は新所蔵作品だそうです。それにしてはしっくりきすぎている。もう何十年も何百年も前から対話をしているように感じます。近くに椅子があったので座って対話が聞こえてこないか試してみました。え、どうやら私のことを話しているみたいです。

「見てみなよ、今日の観客はあそこに椅子に座りこんじゃった。何度もこの部屋に来てじっと見てる。いつまでいるのかな。」
「ほんとだね。もしかして自分たちのこと気に入ったとか。」
「そうかも。けどあの人、聞き耳立ててるみたいだよ。」
「あはは、相当気に入ったんだな。」
隣のスペースには《ナム・ジュン・パイクのグランドピアノ》が展示されていて、モニターからピアノの演奏が流れています。私はお礼を言ってその部屋を出てきました。
「対話の邪魔しちゃってごめんなさい。BGMもあっていいですね。私は楽しかったです。ありがとうございます。また来ます。」

カスヤの森現代美術館『開館30周年記念 李禹煥 合間の遊作』
会期:2024年11月23日(土)~2025年2月23日(日)(休館日:毎週 月・火・水曜日)