SOMPO美術館『ウジェーヌ・ブーダン展—瞬間の美学、光の探求』へ行ってきました

 YouTube番組『山田五郎のオトナの教養講座』をご存じの方は多いと思います。とても勉強になるこの番組が私は大好きで欠かさず観ています。それどころかもう3周ぐらい繰り返し観ています。この番組で3年ほど前にウジェーヌ・ブーダンの作品を取り上げていて、「海景画家というよりむしろ空景画家なのだ」と五郎さんが紹介していました。その時なるほど!と思ったのです。私もブーダン=海景画家の認識でしたから。SOMPO美術館でブーダン展が開催されると知った瞬間に「実際に観に行かなければ」と思っていました。

 いやはや、五郎さんの言う通り、空の画家でした。海と船舶の作品は特に爽やかで、夏に鑑賞するにはぴったりです。と、思ったときに、この爽やかさはどこから来るのだ?と考えました。それはおそらく“海、空、雲”に加えて“風”の表現を感じたからではないかと。だって、雲が流れているのがわかるのですよ。《トルーヴィルの海水浴客》という作品を観てみてください。大袈裟ですけど動画かと思いますよ。あー、そうなると、雲の間の青空もそういうことなのか。全部ではないけれど、今回観たほとんどの作品は、どんなに小さくても雲間に青空があるのです。風が吹いて雲が晴れて青空がのぞいている。全くの曇り空も味がありますが、青空を見つけるたびになんだか前向きになれるような気がしました。動物、中でも牛が主役の作品でも、画面の半分は空が占めていました。そこにも雲があり、風を感じたのでした。

 ブーダンはモネに外での写生を勧めたことで知られています。ブーダンの人物を描いた作品を観ると納得です。モネがブーダンを慕っていたのが伝わってきます。

 清々しい気分になれた今回の展覧会で、私はすっかりブーダンファンになりました。

 そして、がんであることを公表されている山田五郎さんが、早くがんの撃退に成功しますように。

SOMPO美術館『ウジェーヌ・ブーダン展—瞬間の美学、光の探求』

会期:2026年4月11日(土)~6月21日(日)

巡回展:松本市美術館、山梨県立美術館、群馬県立近代美術館、

    美術館「えき」KYOTO