東京国立近代美術館「ゲルハルト・リヒター展」へ行ってきました

 実は、ゲルハルト・リヒターというアーティストは名前しか知りませんでした。初回でご紹介したポーラ美術館でモネの作品と並んで展示されていたのがリヒターの作品です。が、詳しい知識は全くありませんでした。今回リヒターの展覧会へ来たのはただの直観です。私はこの展覧会を観るべきなのではないかと思ったというだけです。そもそも、現代アート自体積極的に観に行くことはほとんどありません。ところが最近これは観ておくべきではないかと思う現代アートの展覧会に出会うようになりました。例えば今年の春に開催された「ダイアン・ハースト 桜」展です。リヒターの作品を観ていてハーストの作品を思い出すこともありました。あの展覧会は行ってよかった。今回の直観はどうでしょうか。

 リヒター作品には写真に油絵具を塗るシリーズや、デジタルプリントの作品、鏡を使った作品などいくつかの制作手法があり、「アブストラクト・ペインティング」シリーズはその一つです。これはスキージと呼ばれる自作のへらを用いて、キャンバスの上で絵具を引きずったり削り取ったりすることで絵画を生み出すという制作手法で描かれたシリーズです。

 その時々でどのように絵具が延びていくのかがある意味予測できないけれど、それをそのまま作品にしてしまうという面白い発想だと思いました。あとは私がそこに何を見るかは自由です。私は上の写真の作品を観て、“池に夕日が映っているみたいだ”と思いました。みなさんはどんなものが見えたでしょうか。

 現代アートは写実よりもこういった抽象画が多いです。今回直観でこの展覧会に来てみて、なるほど勝手に連想するのもいいな、と思いました。もちろん作者の意図はあるでしょうが、そこにこだわらず、後から「ああ、そういうことね」というのも鑑賞の楽しさかな、と。私なりの現代アートの楽しみ方を見つけることができた展覧会でした。

 今回の直観も 「当たり」です。

東京国立近代美術館 ゲルハルト・リヒター展

会期:2022年6月7日~10月2日(休館日:月曜日)

  【巡回展 豊田市美術館 会期:2022年10月15日~2023年1月29日】

美術

Posted by mocchi