九州芸文館「写真展 オードリー・ヘプバーン ―ありのままを生きる」展へ行ってきました
目が離せなくなる、とはこういうことですね。一枚一枚の写真にくぎ付けになってしまうのです。キャプションの中に何度も出てきたのが「愛らしい」という言葉。プライベート写真からも作り物ではない愛らしさが伝わってきました。
オードリー・ヘプバーンは自分のルックスに自信がなかったそうです。やせていて胸がなく、背が高すぎて歯並びが悪い、これがコンプレックスだったとか。だからこそ努力を怠らず、あきらめない精神を持ち続けていた。映画を創るという仕事とその中で生きていく自分に、真剣に真摯に向き合っていたのでしょう。
オードリーは常に完璧を目指そうとしていたそうです。映画デビューを果たした『ローマの休日』からトップクラスを走ってきたのですから、自分自身のコンプレックスを克服するためもあっただろうし、期待に応えなければいけないという思いもあったかもしれません。それでいてあのチャーミングな笑顔を絶やすことがなかったというのは、無理をして頑張っていたのではなくむしろ努力することを当然のこととして受け入れていたのではないかと思います。容姿のことだけではなく「美しさ」とは内面からくるものだと実証した人なのです、きっと。
この写真展では、いくつかのエピソードが紹介されています。『ティファニーで朝食を』の、コーヒーを片手にペストリーを食べながらショウウィンドウを覗いているあの有名なシーン、オードリーはペストリーが苦手だったため大好きなアイスクリームに変えてくれないかと監督にお願いしたら却下されてしまったとか。こんなささやかなエピソードもかわいらしく思えます。
展覧会のサブタイトルのように、ありのままを生きた、ありのままのオードリー・ヘプバーンを観ることができて少し感動した時間を過ごすことができました。
会場で流れていたBGM、オードリー・ヘプバーンの出演映画のテーマ曲が流れていたのですが、この曲の次はあの映画の曲だよなぁと漠然と思いながら鑑賞していました。どうして曲順がわかったかというと、私が持っていたCDと同じだと思います。映画音楽にはまっていた時期がありました、そういえば。あのCD、どこにしまったかしら。
九州芸文館 「写真展 オードリー・ヘプバーン ―ありのままを生きる」
会期:2022年9月10日(土)~10月23日(日)