ポーラ美術館『部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで』へ行ってきました
毎回新しい発見があるポーラ美術館の展覧会。ブログでご紹介するのは今回で3回目です。ここへ来るのは本当にワクワクします。どんな発見があるのか、早速ピンク色の壁の中へ入っていきましょう。

今回は「部屋」がテーマです。室内や窓から見た外の風景が描かれた作品が展示されています。展示数は決して多くはありませんが、アーティストごとにブースがわかれていて、広めのブースに作品数はそれぞれ3点前後と少なめなので1作品をゆったりとじっくり鑑賞することができます。
何度も来ているので、同じ作品を何度も観ることがあります。毎回テーマが違うので同じ作品でもテーマが変わるたびに視点が変わります。「なるほど、そうきたか!」と思わされるところが本当におもしろくて、本当にワクワクします。
そしてもう一つ、「部屋」に関連する大きなテーマが「窓」です。私が知らなった2組のアーティストが今回私に「窓」というテーマの魅力を教えてくれました。
写真家ヴォルフガング・ティルマンスの《あふれる光》というシリーズ。窓そのものは写っていないのですが、壁に写った窓がそこにあります。何もなく殺風景な部屋なのに、夕日(または朝日)のオレンジ色からは寂しさよりも温かさが感じられました。

小さなかわいらしい窓が壁に並んでいる《Inside-out/Outside-in》という高田安規子・政子の作品。開いている窓もあれば閉まっている窓もあります。12分の1スケールというとても小さな窓だけれど、窓の向こうにはポーラ美術館を囲む森が見えます。ここ数年の思うように外へ出られなかった時期からもう自由になってもいいんだ、窓の向こうへ行けるんだ、という希望が持てた気がしました。


今回も期待を裏切らない、ステキな展覧会でした。
ポーラ美術館『部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、現代の作家まで』
会期:2023年1月28日(土)~7月2日(日)(会期中無休)