アーティゾン美術館『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』へ行ってきました

展覧会 入口

 

 抽象絵画を観ることが楽しいと私が思い始めたのは最近のことです。作品のバックグラウンドとは別に自分で勝手に想像できるところに私は魅力を感じます。作家は何を思ってこの線を描いたのか、この色を選んだのかを考えるのも楽しいし、私だったらこんなふうに見えるなぁと思うのも面白い。タイトルから想像することもあるし、《無題》や《作品》といったタイトルだったら「どうぞご自由に想像してください」と言ってもらえた気がして好き勝手に考えます。そんな抽象絵画の想像の世界にどっぷりつかれる展覧会へ行ってきました。

 今回は、私の勝手に想像シリーズの中から2作品を紹介したいと思います。この作品を観てみなさんはどんな感想をお持ちになるでしょうか。

①堂本尚郎《集中する》

堂本尚郎《集中する》

 近づくと荒れた海のようにみえる。少し離れて観ると、頭の中のいろいろな思いをまとめようと必死になっている感じ。白の部分はまとまりつつあって頭の外にアウトプットしているように外側に放出しているよう。タイトルとこじつけてしまうと「集中している時の思考を表現」している、というのはいかがでしょうか?

②マーク・トビー《傷ついた潮流》

マーク・トビー《傷ついた潮流》

 

 タイトルの「傷ついた」からつなげると、確かに痛そう。赤色は血が染み出している痛みの部分。とすると青色は?かさぶたとか。実際の傷ではないけれど、傷ついてもいつかは癒えていく。そんなことを想像しました。

 他にもアーティゾン美術館の新収蔵作品にスポットを当てて鑑賞するのも楽しそう。これだけで企画ができるのではないかと思うほどたくさんの作品が新たに収蔵されているようです。見どころ満載で、もう一度行って違った視点で改めて観てみたい展覧会でした。

アーティゾン美術館『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ』

会期:2023年6月3日(土)~8月20日(日)(休館日:月曜日)

美術

Posted by mocchi