愛知県美術館『パウル・クレー展―創造をめぐる星座』へ行ってきました

 パウル・クレー展が始まると知ってからこの展覧会はブログにしようと思っていて、巡回展なのでどこで行こうか迷った末に一番はじめの愛知県美術館へはりきって行ってきました。クレーの作品に加えてクレーと関連のある画家の作品もあり、充実した展覧会です。

 実は、展覧の途中で心が折れそうになりました。はりきって来たものの、気ままな感想文とはいえ、私がクレーの作品をブログで表現できるのか、と。会場に入るまでは、クレーに関する知識を私があまり持っていないことで新鮮な感想が書けると思っていたのです。が、それは考えが甘かったようです。

 では、なぜ心が折れそうになったのか。それは、解説パネルやキャプションに書かれているクレーの言葉がとても詩的で哲学的だと感じたからです。詩的で哲学的だとなぜブログにするのが難しいと思ったのかというと、はじめのパネルにこんなことが書かれていたことがきっかけになったと思われます。

“クレーは芸術家による詩的な想像力を重視して「すべての造形芸術は題名に由来する」と考え、絵画よりも詩的な着想を表すのにふさわしいとみなしていた、線描画の制作を続けていたのです。” 

 これはカンディンスキーの “絵画においては色彩と形だけが本質的だと考え、具体的な要素を取り除いた純粋な絵画を目指しました。” という考えに対するクレーの考えのことのようです。私がクレーの作品を難しいと思ってしまったのは、このクレーの考え方の本質を私が理解できていないということがあります。私が美術館でいろいろな作品を観るときに、カンディンスキーの考えに近い観かたをしているからかでしょう。この色が好きとか、この形は○○にみえるとか、作品名から勝手に想像(妄想)することが多いですし。単に色や構図や妄想を楽しめばよかったのかもしれません。今回の展覧会の図録はかなりボリュームがあり、クレーの作品の軌跡をじっくりたどることができるので、今この図録を読み込んでいるところです。これで次にクレー作品に出会った時は今回とは違った感想が持てるのではないかと楽しみにしています。

《チェニスの赤い家と黄色い家》
 《蛾の踊り》
 《侵略者》

 最後に、とても気になった作品について。カンディンスキーの《緑に向かって》。クレーの誕生日にカンディンスキーが送ったというこの作品は、クレーが用いていた技法を使って制作されたクレーへのオマージュ的な作品だそうですが、「お誕生日に目玉!」と思ってしまったのは、お二人に失礼な感想になってしまうでしょうか。

ヴァシリー・カンディンスキー《緑に向かって》

愛知県美術館『パウル・クレー展―創造をめぐる星座』

会期:2025年1月18日(土)~3月16日(日)

巡回展:兵庫県立美術館 2025年3月29日(土)~5月25日(日)

    静岡市美術館 2025年6月7日(土)~8月7日(日)

美術

Posted by mocchi