竹久夢二美術館『夢二式美人のひみつ』展へ行ってきました

「私はあまりにも女性の美を知りすぎている」と日記に書いたのは、明治から大正にかけて活躍した画家・詩人、竹久夢二。文京区にある弥生美術館・竹久夢二美術館へ行ってきました。

 東京メトロ千代田線の根津駅から徒歩で10分弱。東京大学の目の前です。二つの小さな美術館が短い廊下でつながっています。弥生美術館から入って1階、2階の展示室を観ると2階からそのまま竹久夢二美術館の2階展示室へと続きます。そこから1階の展示室へ。そして弥生美術館の入口へ戻ってきます。それぞれの美術館で展覧会が開催されていて、一度に二つの展覧会が楽しめる美術館です。現在、弥生美術館では『デビュー50周年記念 村上もとか展 ~「JIN―仁―」、「RON―龍―」、僕は時代と人を描いてきた。~』が開催されています。

 今回は竹久夢二美術館を紹介します。竹久夢二は岡山県生まれ。16歳で上京、大学在学中に雑誌に投稿したのをきっかけにデビュー。以来多くのコマ絵や挿絵を発表し、「夢二式美人画」を確立しました。夢二式美人に共通のしぐさとポーズがあるそうです。もたれる、化粧する、泣く、後ろ姿、伏し目、手と指先。作品をよく観てみると本当にだいたいこのどれかに当てはまります。あえてポーズをとっているものもあるのですが、そうではないちょっとしたしぐさが描かれている作品からはどれも清楚な女性がイメージできます。夢二式美人は当時の女性たちの憧れで、こぞって着物や髪形などを似せようとしたそうです。夢二の描く女性は、顔立ちが整っていたりスタイルが抜群な美人というよりも“しぐさ美人”なんです。例えば、前髪をいじるとか本を読むとか化粧をするとか、誰もがする動作が描かれているからこそ、多くの女性が自分と重ね似せようとしたのでしょう。誰もが、夢二の描く憧れの女性に近づくことができるのです。タイトルにある「夢二式美人の秘密」とは、きっとここにあるのですね。当時多くの女性を魅了してしまう親近感があったのだと思います。

 夢二は恋多き人生を送ったようです。解説を読んでいて私は呆れてしましました。冒頭で紹介した日記の一文もしかりです。なんといえばよいのか…その部分だけ切り取れば日本のピカソみたいな感じでしょうか。どんな恋だったのかは美術館で作品と一緒に観てみると面白いと思います。

 千代紙や浴衣のデザインも手掛けていた夢二。小さい美術館ですがショップには夢二デザインのグッズが充実しています。

 帰りは不忍池をぐるりとして、上野駅まで徒歩20分ほどを歩いてきました。上野には何度も来ているのに、不忍池に来たのは初めてでした。ここで多くの女性たちが、夢二デザインの浴衣を着て思い思いの時を過ごしたのかと思うと少しだけ、ノスタルジックな気分が味わえました。

竹久夢二美術館 『夢二式美人のひみつ』

会期  2022年6月4日(土)~2022年9月25日(日)(休館日:月曜日)

岡本太郎記念館『赤と黒』展へ行ってきました

 「芸術は爆発だ!」と叫んでいる不思議な動きをする人、そんな印象があります。大阪の《太陽の塔》や渋谷の《明日の神話》は有名です。

 

 南青山にある「岡本太郎記念館」へ行ってきました。表参道駅から歩いて7、8分です。ここは岡本太郎のアトリエ兼住居を改装して1998年に開館しました。さらっと観ると10分で一周できてしまうくらいとても小さい美術館ですが、なかなか見応えがありました。

 展覧会テーマの「赤と黒」、HPによりますとこの2つの色は岡本太郎の絵画芸術を象徴する色とのこと。「赤の中から生まれ、赤の中に生きているという感じがする」というくらい幼いころから赤が好きで、いっぽう1960年代になると積極的に黒を描きはじめ、黒は色のバリエーションというだけでなく生き方を象徴するものだったのでしょう、とあります。今回は色をテーマにした初の展覧会です。

 入口を入って右手に行くと、応接室とアトリエがあります。左手に階段があり、2階に展示室が2つあります。一つが真っ赤な展示室、もう一つが真っ黒な展示室でした。

 風景画や人物画と違って、抽象画は何が描かれているのかよくわかりません。タイトルを見ても理解できないことが多いです。そんなとき私は、タイトルとそこの描かれていることを無理やり関連づけて妄想してみます。

 例えば、今回展示されている《黒い手》という作品、もちろん手に見えるところはどこにもありません。黒の展示室の写真右から2番目の作品がそれです。これを勝手に妄想すると…

“黒くて白の縁取りがあるにょろっとしたものが、中央縦に引かれているこれも白の縁取りのある赤い線から勢いよく飛び出している感じ。それぞれの色は何かの例えだ。赤(岡本太郎)の中で白(純粋なもの)と黒い手(邪悪な手)が闘っている。黒は彼の生き方の象徴の色とすると、岡本太郎は自分の生き方と闘っていた?”

と、こんな感じです。のちのち本を読んだときなどにその作品の解説が出てくると、妄想の結果がわかるときがあります。「なるほどねー」と膝を打つこともあり、「やっぱりなー」とひそかにほくそ笑むこともあり。今回はどっちでしょうね。

 岡本太郎記念館は、ミュージアムグッズが非常に充実しています。Tシャツ、ハンカチ、トートバック、マグカップ、キーホルダー、トランプ…ほかにもいろいろ。デザインもとってもかわいいです。お土産選びもとても充実した時間でした。

岡本太郎記念館 外観

岡本太郎記念館 企画展『赤と黒』 

会期  2022年3月18日(金)~2022年7月18日(月)(休館日:火曜日)

ポーラ美術館『ポーラ美術館開館20周年展 モネからリヒターへー新収蔵作品を中心に』へ行ってきました

 はじめまして。

 たくさんある美術関連のブログに私も仲間入りさせていただきます。はじめまして、『mocchi』と申します。このブログは、私が訪れた展覧会、私が読んだ美術関連の本、時々映画などの感想を私の視点で自己満足的に書いていこうというものです。特に深い知識を持っているわけではありません。美術館へ行くことが好きで、本を読むのも好きです。そして、文章を書くのも上手くはありませんが好きです。なので気楽に読んでいただけたら嬉しいです。そして、あなたが美術館へ行く何かのきっかけになったらいいなと。月に2回ほど更新しようと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

ポーラ美術館『ポーラ美術館開館20周年展 モネからリヒターへー新収蔵品作品を中心に』へ行ってきました。

初回は、私が企画展ごとにほぼ毎回訪れているポーラ美術館です。化粧品などで有名なあのPOLAの2代目社長である鈴木常司氏が蒐集した西洋・日本美術コレクションを所蔵・展示しています。おそらく所蔵品だけでいくつもの展覧会が企画できてしまうくらいの所蔵品があるのとともに、それに見合う素晴らしいキュレーションが魅力の美術館です。そして広い、そしてきれい、そしてカフェがおしゃれ、そしてミュージアムショップが充実している、私の大好きな場所です。

 今回の企画展は、ポーラ美術館開館20周年記念展です。印象派の巨匠から現代アーティストの所蔵作品約10,000点の中から「光」をテーマにした作品の展覧会です。

 広くてきれいな展示室に、とても観やすく展示されています。

 私が大好きな画家レオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品で一つの章になっていました。今回は数点でしたが、この美術館ではフジタ作品をたくさん所蔵していて、たびたびフジタの展覧会が企画されます。

 じっくり作品を鑑賞した後はミュージアムショップで買い物です。美術館オリジナルグッズも多く、人気のルノアール、ゴッホ、フジタの作品がデザインされているお菓子やハンカチなどお土産には最適です。先日、風雨の強い日に傘の骨が折れてしまったので、ずっと欲しかったポーラ美術館オリジナルの雨傘を思い切って購入しました。ゴッホの作品がプリントされています。雨の日はあまり好きではないのですが、雨降りが楽しみな反面、使うのがもったいない気もしています。

 最後の仕上げは美術館の中にあるカフェでランチ。ガラス張りの大きな窓から見える新緑がとても美しかったです。風にゆれる枝がゆっくりゆっくりとそよいでいて、動く絵画を観ているようでした。

 ここへは私の家から車で2時間ほどで、私としては近い場所です。海岸沿いの道を通るので行き帰りの景色も楽しんでいます。

「ポーラ美術館開館20周年展 モネからリヒターへー新収蔵作品を中心に」

会期  2022年4月9日(土)~9月6日(火) 会期中無休